冒険したいお年頃!

 

 

by.櫻

 

男。瀬戸口隆之十七歳。冒険したいお・と・し・ご・ろ(笑)

 

〇五〇〇。尚絅高校。

 

朝。5121小隊の校舎付近を壬生屋は掃除をしていた

毎朝掃除をして綺麗にすると心を新たに勉学に訓練に頑張ろうという気持ちになれる。

だから朝は好きだ。壬生屋はニコニコ顔で掃除を続けていた。すると

「壬生屋・・・お前さんの髪いい匂いするのな」

「え・・・・・?」

背後からの突然の美声にぎょっとして壬生屋が振りかえったら

其所には自称5121小隊一の美少年の瀬戸口隆之が壬生屋の髪を一掴みして“くんくん”と匂いを嗅いでいた。

 

至近距離の瀬戸口の秀麗な顔に壬生屋の心臓が跳ね上がる。

どきどきどき。。。

しかし壬生屋は平静を装って瀬戸口に微笑む。少し笑いがぎこちない。

「お・・・おはよう御座います瀬戸口さん。めずらしくお早いんですね。」

「おはよう壬生屋vvv今日も綺麗だなv」

さらりと瀬戸口が壬生屋に言う

「綺麗?・・・何が綺麗なんですか?掃除はまだ終わっておりませんが?」

と訝しげな表情で壬生屋が尋ねると

「お前さんがv綺麗な・の!」

と、満面の笑顔で微笑む瀬戸口

壬生屋は絶句して赤面しホウキを持ったまま固まった。

 

実はこの二人は先日恋人同士になったばかりなのだが、

奥手の壬生屋のおかげでキスから先へちっとも進めない瀬戸口であった(笑)

まぁ今迄が喧嘩友達感覚だったので急に恋人っぽくラブラブというのは無理であろう。

そんな訳で初心な壬生屋を愛を込めてからかうのが最近の瀬戸口の日課になりつつある。

毎日一歩前進!瀬戸口の最近の口癖である。

瀬戸口が言うには・・・よく意味が分からないのだが・・・

千年以上も待った???・・・らしいので、壬生屋と一気に深い関係を持つと本人曰く「勿体無い」らしい。

じわじわ壬生屋を攻略している様だ。  と、いうのは瀬戸口から話を聞いた速水談(笑)

 

「で、何の匂いなんだ?シャンプーかい?香水?じゃないよなぁ?ん〜」

壬生屋の髪に鼻を寄せながら優しく問い掛ける瀬戸口

「な・な・な!!!何するんですかっ!」

耳朶迄真っ赤にして壬生屋が瀬戸口から離れようとする・・・が、

「ん〜〜〜。いい匂いだなぁ〜」

しかしそう言って尚も壬生屋の髪の匂いを嗅いでいる瀬戸口。離す気は更々ないらしい。

「いやっ・・・・は・・離して下さいッ!人目が・・・」

「離す?嫌だね。それにまだ早いから誰も来てないぜ?

「怒りますよ・・・怒りますからね?」

「ああどうぞ怒ってくれ。本当に嫌なら・・・な。?」

悪戯っぽくにんまり笑う瀬戸口

「自惚れにも程がありますッ!」

プイ!と瀬戸口から視線を反らす壬生屋。

顔はすでに茹で蛸状態だ。なんせ言葉では嫌がっていても、心では嫌がっていない自分がいる。

瀬戸口に触れられる事を望んでいる自分が。

・・・ふしだら、だわ・・・わたくし。

壬生屋が自分の思考に囚われて自爆していると、

 

瀬戸口は初心な壬生屋を見つめ

可愛いお嬢さんだ・・・と内心思い

フッ・・・

目を細めて優しく笑う。

「なぁ壬生屋・・・キスしてもいいか?」

そう言って瀬戸口は壬生屋の身体をかき抱き首筋に顔を埋める。

彼の髪がこそばゆいし、首に吐息がかかる

瀬戸口に抱きしめられただけでもう立っていられなくなりそうな感覚に陥りそうな壬生屋は意を決して足を地面に踏ん張ると眉間に皺を寄せる。

精神統一・・・精神統一・・・深呼吸・・・

すーーーーーはーーーーーー・・・・・・・・・・・

心音が落ち着くのを待ってから

ふーっと息をつく。落ち着いてようやく回りだす思考回路。

ずるい人・・・・・・わたくしが断れる

訳ない事を知っててのこの狼藉ぶり

でも所詮は惚れた弱みの壬生屋である

告白も壬生屋からだったのだ。

 

「許可・・・致します・・・。」

壬生屋が、消え入りそうな声で了承すると

瀬戸口は壬生屋の身体を自分の方に向かせて

「では・・・姫。早速vvv」

瀬戸口の顔がそっと近寄ってきて

壬生屋に接吻する。

唇を啄ばむ様な優しいキス。

壬生屋は瀬戸口とのキスは好きだった。心の中が満たされる様に温かくなって・・・倖せな気分になれるから

すると壬生屋はなにやら匂いがするのに気がついた。さっき瀬戸口さんが言ってた匂い?

甘い匂い・・・がする・・・何かしらこの匂い?

「んっ・・・。」

壬生屋が切なげに吐息を漏らす

接吻はもう瀬戸口と恋人同士になってからというもの、何度かしている筈なのにいつまでも壬生屋は慣れない・・・毎回新鮮で切なく泣きたくなるほど瀬戸口を愛しく思うのは前世を想いだすからだろうか・・・

 

瀬戸口とのキスに頬をほんのり赤く染めて、瞳を閉じてうっとりしていた壬生屋だった・・・

がっ!!!!

不意にキスが濃厚になり

口内に異物を感じた直後…

「?」

にゅるりん!

「!?」

にゅるにゅるにゅるにゅる

壬生屋の口内を這いずり回る瀬戸口の舌に声にならない悲鳴を上げる壬生屋。

「○△□※×*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

バッチーーーーーーーーーン!!!!!

壬生屋は瀬戸口の頬を思いっきりひっぱたいた!

「あいたーーーーーーーーーーーーっ!」

叩かれた頬を押えて驚いている瀬戸口

壬生屋の手形がくっつきり瀬戸口の頬についている(笑)

 

「みっ・・壬生屋!なっ…何するんだよ!」

「しっ・・舌を入れていいなんて言ってませんッ!。不潔ですっ!破廉恥です!変態です!」

涙目で口を押さえてブルブル震えている壬生屋。

初心な壬生屋にはちょっと刺激が強すぎたらしい。

「へっ・・・変態ってなァ・・・ヲイ!ばっ・・・馬鹿だなぁ・・・壬生屋。これは大人のキスだぞ?」

言い訳がましい瀬戸口。

まぁディープなキスだから大人向けといえばそれはそうなのだが(笑)

「えええっ?大人の・・・キス???」

そうなのかしら?わたくしったら・・・無知で・・・瀬戸口さんをぶったりして・・・

「本当ですか・・・・?」←やはり疑っている壬生屋(笑)

「本当だとも!!!お前さんも、もう子供じゃないんだから。そろそろもうキスも段階上がってもいいだろう?」

「わたくし子供ではありません・・」

「そうだろ〜う?ホラ。じゃあ、もう一度♪」

「ん〜〜〜vvv」

と言って唇を付きだす瀬戸口。

端から見ると馬鹿っぽいが取りあえず壬生屋とキスがしたくて必至の様だ。(笑)

ううっ・・・わたくし何か騙されている気が・・・

壬生屋は仕方なく瀬戸口にキスしようとしていたら瀬戸口がとんでもない亊を言い出した。

「じゃ今度は壬生屋が動かして。」

「は?何・・・を?ですか???」

「舌。」

「え?・・・・・舌を動かす?・・・?わたくしがッ!?????」

ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

壬生屋は物凄いショックを受けた!

さしずめ田辺の頭にタライが落ちてきたかの如く。顔を真っ赤にして嫌がって叫ぶ。

「いっ・・・嫌ですっ!そんなはしたない亊出来ませんッ!!!」

「壬生屋は子供のままでいいのか〜?ん〜?」

瀬戸口は真剣な顔をして壬生屋に詰め寄る

頭の中はエロモード全開であったが表面上は真剣な顔をしているので壬生屋には分かるまい。

「ううっ・・・」

真っ赤になって苦悩する壬生屋

暫く悩んだ揚げ句

「それでは…」

意を決した様に壬生屋は自分から瀬戸口にそっと口付けた

心の中でピースサインの瀬戸口。

恐る恐る壬生屋は舌を動かしてみる

くちゅ・・・

壬生屋の初心で辿々しい動きに瀬戸口は猛烈に煽られながら(笑)壬生屋の肩を掴んで一度壬生屋のキスから離れると

「まだまだ!こうだッ!」

がばちょ!と更に瀬戸口から接吻る

「んん〜!!!」

瀬戸口と壬生屋のキスの攻防戦は暫く続いたが、壬生屋は目を白黒させて終いには真っ赤になって興奮の余り倒れてしまい、

そのまま瀬戸口にお姫さま抱っこされて校舎の方へ消えていった・・・

医務室にでも連れて行ったのだろうか?

早朝の誰もいない医務室に二人きり!?

まさか遂に壬生屋の貞操の危機!?

瀬戸口!毎日一歩前進じゃなかったのか!?(笑)

 

 

 

プレハブの屋根の上にいた速水と舞は瀬戸口達のその光景を目の当たりにしてその場から動けずにいた

「ねぇ・・・舞。あの二人なにやってんだろうね?。あんな人目につく所で・・・アハッ☆」

クスクス笑う速水

そういう速水達のいる場所も相当人目につきやすいのだが

・・・というかどうしてこの二人がこんな朝早く学校に来ているのか・・・。

恐らく昨日は家に帰らず校内で泊まったのであろう。

「しっ・・・知らぬ!!!」

先ほど迄瀬戸口達の行為を見ていたであろう舞の顔は真っ赤になっている

「いいなぁ〜二人初々しくってvvv僕らなんてもうとっくに・・・ねぇ?舞っv」

天使の様な微笑みを舞に向ける速水。

舞の反応を見て楽しんでいる。表情は天使なのに腹の中はデビル速水だった。

「な・なな・・なぬを!イヤ、何を言っておるのだ!く・・教室に行くぞ!厚志!」

これ以上いると何を言われるか分かったもんじゃないと思った舞はそそくさとその場から逃れようとした。

「はいはい♪」

速水は笑いながら舞に駆け寄り

「僕達は訓練の後で・・・ね?舞vv」

速水が舞の耳元で唇が耳朶に当たる様に甘く囁くと

真っ赤になって耳をおさえた舞が怒る

「厚志!わ・・・私は学校ではあれほど嫌だと・・・・・昨日だって・・・」

「あれぇ〜?舞ったらv何考えてるの〜?」

僕は訓練の後で味のれんに行こうってつもりで言ったんだけどな

「!!!!・・・私は・・・お前のその人をからかう言動は嫌いだ!!!」

「ご免ご免。だってさ。舞があんまり可愛いからvvv」

笑いながら速水は舞の腰を抱き寄せる

「あっ・・厚志・・・馬鹿者!なっ・・何をしておる!」

「ん〜。我慢出来なくなっちゃった♪そうだ!うん。見せつけてた瀬戸口達が悪い!」

「な!!!!!ひゃっ・・たわけ!こっ・・・この様な所で又・・・んぅ・・」

速水が舞に濃厚なキスをしたら舞は腰が抜けて崩れ落ちる。

舞の瞳が潤む。キス一つで舞姫陥落。流石黒速水。

「じゃあ人目につかない場所に行こうか♪」

「たわ・・・け・・・授業が・・・」

「いいの♪いいの♪授業より舞との時間の方が大事vvv」

速水は腰が抜けた舞をお姫さま抱っこするとハンガーの奥へ消えて行った。

「瀬戸口に後でお礼言わなくちゃ♪ネ」

その日、瀬戸口と壬生屋、速水と舞のカップルが授業をサボったのは言う迄もない・・・・

 

 

 

 

【おまけ(笑)】

「いやーーーーー!!!!ふふふふ・・不潔でーーーーーーーーーーーす!!!!!!」

瀬戸口が医務室で壬生屋の胴着をそそくさと脱がしていたら

途中で意識を取り戻した壬生屋が悲鳴を上げた

ブラが外され壬生屋の大きな胸が露になっている。瀬戸口が壬生屋に何をしようとしていたか一目瞭然だ(笑)

「いや、そのな、これは不潔じゃなくてな!気を失ったお前さんの胸がきつそうで・・・その〜」

瀬戸口。自分も上半身脱ぎかけだから説得力まるで無し。(笑)

「・・・・責任。取って下さいまし!」

半泣きの壬生屋。何かされたと勘違いしている模様。

イヤどっちにせよ、瀬戸口はこれからやる気満々の様だが(笑)

 

「嗚呼。そのつもりだよ壬生屋。・・・いや・・未央」

かぁああああああっ。

瞬時に頬を真っ赤に染める壬生屋。

「・・・あのぅ・・・今・・名前で・・・」

「未央。隆之って呼んで」

「・・・隆之さん・・・わたくし・・・」

「責任取るから。なっ。だから・・・いいだろう?」

壬生屋のはだけた胸元に顔を埋める瀬戸口

「ちょっ・・・そんな問題じゃ・・やっ・・・んんっ・・・」

なし崩しに瀬戸口とHな雰囲気になる壬生屋

壬生屋は次の日もお休みでした♪

 

 

で。その次の日の朝教室にて

真面目な壬生屋が休みなのを不思議に思ったののみが壬生屋の恋人でもある瀬戸口に聞いてみた。

「ねぇねぇたかちゃん。みおちゃんはどうしておやすみなんですか?」

ぼーっと上の空だった瀬戸口がののみに気がつき微笑み返す

「ん?嗚呼・・・ののみか。未央・・いや、壬生屋はなぁ〜疲れて寝てるんだよ。」

はぁ〜〜と盛大に溜息をつく瀬戸口。

「どうしてつかれてるんですかぁ?」

ののみはキョトンとした顔で素直に理由を聞いてみた。

「それは俺が昨日頑張り・・・いや何でもないよ。昨日ちょっと腰を痛めてなぁ〜立てないんだよ。」

すると瀬戸口は鼻の下を伸ばしてデレーッとした顔をしている。昨日の出来事でも思いだしているのだろうか?

「みおちゃんはこしがわるいんですか?たいへんなの〜かんびょうしないでいいんですか?」

壬生屋が病気と聞いて心配するののみ。

「いや、だからなー俺が1日側にいるって言ったんだけど・・・顔も見たくないって言われちゃってなぁ〜」

「たかパパピンチなんだよ。」

「たかちゃんたいへんなの〜」

瀬戸口の頭を撫で撫でするののみ。

「そーなんだよぉおお〜分かってくれるかぁ〜ののみ!!!」

どばーと涙を流して、ののみに泣きつく瀬戸口。どっちが子供なんだか・・・

 

瀬戸口の分かる人が聞けば赤裸々な会話に聞き耳を立てていた滝川と中村は

二人して一斉に呆れた溜息をついて

「師匠・・・阿呆だな。」

と、滝川は呆れ

「ほんに阿呆ばい瀬戸口は」

と中村。

 

その背後の教室の隅っ〜この方で奥様戦隊がこそこそ隠れる様に内緒話をしている。

「聞きまして?奥様方。壬生屋さん瀬戸口君の所為足腰立たないそうですわよ!」

善行委員長がおネェ言葉で原副委員長にこそこそと耳打ちする

「まぁ〜瀬戸口君たらダ・イ・タ・ンv若いっていいわねぇ〜vvvフフフッ・・・奥様戦隊出動ね!」

原はにんまり笑って舌なめずり(笑)

「壬生屋も可愛そうに・・・腰は女子の命だろうに・・・」

と、一人いきなり素に戻る若宮。

「あら。若宮の奥様ったら壬生屋さんにホの字だったのかしら?」

こめかみを引きつらせながら若宮の奥様(笑)を睨む原奥様。

自分の亊が好きだといつも公言している若宮が他の女の亊を心配するのは気にくわない模様。

「イエ、なんか悪いタラシ男に娘を取られた様な気分で・・・勿論自分は素子さん一筋であります!!!」

「ホホホホホホ・・・そうよね!貴方は私のキープ2号君なんだから余所見してたら後からプスッよ?」

原の半分冗談で半分本気の殺意に背筋を凍らせる若宮

「分かっております!!!」

ビシッと原に敬礼する。

「相変わらずですねぇ〜貴女は・・・」

その様子を呆れた様に見る善行委員長

すると原が善行に向かってにっこり微笑み

「そぉ?貴方に鍛えられたのよ?1号さん」

「1号は私でしたか・・・・・私は遠慮したいのですが・・・」

委員長がやんわり「やめてくれ」と言おうとしたら、にっこり微笑む原が

「今ここで刺されたい?」

と言って胸元のナイフの柄を握る。

その場の温度が一気に下降した

「いえ。ナイフは結構。1号でも何でもお好きに呼んで下さい」

委員長は溜息を吐くと眼鏡を掛け直し

今日の熊本は暑くなりそうだ・・・雲一つない晴天の空を眩しそうに眺めた。

 

 

今日も5121小隊は平和でした    まる。

end.

作品紹介・・・つか言い訳チック

桜さんは壬生屋に瀬戸口の亊を「隆之さん」って言わせるのが超苦手なんです(滝汗)どうしてかと言うと親戚に同じ呼び名の人間いるもので。すっげー本気でイヤーンな感じ(泣)だから基本瀬戸口君瀬戸口さんなのですね。だからかなぁ?瀬戸壬生はクソ甘なお話はあんまり書けないんですわん。ふっ・・・遠い目(苦笑)なんで瀬戸口は隆之なんじゃー!!(泣)でも隆之だからいいんだけどぉ〜なんか複雑だわ・・・(死)つー訳でヘボSS3作目で御座います。ヘボなら書くなよ!って感じですが(汗)書かないと上手くならないし(汗)それに!瀬戸壬生愛止まりません!日夜妄想♪らりらりらーん♪←阿呆。私の書くSSって微エロが基本ですがねぇ・・・(笑)シリアス書きたいんですよー!!でも文章力ないから無ー理(大泣)嗚呼誰か文才プリーズ!ヘボ作ですが感想とか頂けるとメチャ嬉しいですのでどぞツッ込んでやって下さいませ。(笑)ちなみにコレSS本瀬壬幸に収録してたSSです。

※ブラウザでお戻り下さい