Merry Cristmas

By.櫻

 

 

12月24日・・・

クリスマスイヴの夜もいよいよこれから!の夕刻の時間

瀬戸口は壬生屋と二人夜の熊本の市内から尚絅校に向け足早に歩いていた。

瀬戸口の手にはラッピングされた大きな紙袋が。

どうやら、ののみへのプレゼントを二人で買いに行った帰りの様子である。

市内のアーケード街はきらびやかな電飾で飾られ、買物客や、恋人達で人通りは多い。

流石に12月になれば熊本も関東並に寒いので、小隊を出る際に瀬戸口が胴衣姿の壬生屋に何か上着を着ろ!

と再三注意したのだが、壬生屋は「寒さも鍛練ですっ!」と、強情を張って胴着1枚で市内迄瀬戸口について来た。

が。しかし・・・

行きは良かったのだが、長い間温かい店内にいたので余計寒さが身に染みるのであろう、

壬生屋は白い手を瀬戸口の見えない所で擦っていた。

が、聡い瀬戸口がそれに気がつかない筈もなく・・・

瀬戸口は寒そうにしている壬生屋の手を取り己のコートのポケットに強引に突っ込んだ。

突然の出来事に瞳を見開いて固まる壬生屋。

「せ・・・瀬戸口君?なっ…なにを…!?」

見る見るうちに赤くなる壬生屋の顔を見て瀬戸口は溜息を付きながら渋面で答えた

「お前さんは俺ほどに着込んでないから寒いだろう?上着を着ろ!と言っても聞かないわ、コート貸してやるって言っても、

もっこすだから聞かないし・・・まったく・・お前さんが風邪でも引いたら俺がののみや姫さんに叱られるだろうが・・・」

「え?あ…イエ。心頭滅却すれば寒さなんて……っくしゅん!」

言い訳をしようとする壬生屋だったがクシャミが出ては言い訳にもならなかった。

「ほ〜ら。言わんこっちゃない!これでも巻いとけ。」

瀬戸口は苦笑いしながらそう言うと壬生屋に自分のマフラーを半分巻き付けた。

「あ・・・//////有り難う御座居ます・・・でも・・・」

きらびやかなイルミネーションで明るい下通りのど真ん中で立ち止まる二人。

「ん?マフラー全部よこせは却下だぞ。俺は寒がりなんだから」

そういう瀬戸口の顔も照れ臭いのか少し赤い。

「そ・・・そうではなくて・・////その・・・」

歯切れの悪い壬生屋に急かす様に

「なんだよ。まどろっこしい奴だな。」

顔をまっ赤にした壬生屋がボソリと呟き俯いた。

「マ・・・マフラーを2人で1つだなんて・・恋人同士にでも見られたりしたら・・・その・・」

たかがマフラーごときで顔を赤くする壬生屋をちょっと可愛いかも・・・と瀬戸口は思いつつも、

壬生屋の鼻をむぎゅうと摘んで上を向かせた。

鼻を摘まれ吃驚する壬生屋

「お前さんねぇ・・・仲の悪い俺達が恋人同士に見える訳ないだろう?」

瀬戸口が渋面で取り繕って言ったその矢先・・・店の客引きに声をかけられる二人。

「そこのラブラブなお二人さんっ!マフラーや手袋が50%OFFだよっ!」

その声に固まる瀬戸口と壬生屋。店員の視線の先にはカップルらしき人影はどう考えても自分達しかいない。

 

 

「・・・・・/////」

「・・・・・/////」

気まずい雰囲気に顔を赤らめる瀬戸口。

顔で湯が沸かせそうな位茹で上がっていた壬生屋をじっ・・・と見た瀬戸口はマフラーをはずし

「壬生屋。ちょっと此処で待ってろ」

「え?」

そう言うと壬生屋から離れ店内に瀬戸口は消えて行った。

一人ぼっち残され壬生屋の手からは先刻迄の瀬戸口の手のぬくもりが消えてゆく。

 

善意で彼がしてくれた行動なのに・・・

唇をぎゅっと噛みしめる。

壬生屋は自分の言った事で瀬戸口が怒ってしまったのではないかとハラハラして立ちすくんでしまった。

手を握られる事も・・・

マフラーを二人でする事も・・・

嫌ではなかったのにどうしてあんな事を言ってしまったのだろう・・・と。

本当は嬉しかったのに。

 

泣きそうな気持ちになりかけたその時、壬生屋の首に瀬戸口のマフラーが消え、その代わりにふわりと温かい白いマフラーが巻かれた。

驚いて見上げる壬生屋。

そこには瀬戸口が笑顔で立っていて

「お前さんにも・・クリスマスプレゼントだ。ののみがいつも世話になってる・・からな」

ぶっきらぼうに言う瀬戸口。だが心からの感謝の気持ちからの様だ

「そんな・・・頂く理由がありませんっ!」

「お前さんが悪いんだぞ?大体そんな胴衣姿でこの寒空について来るから。

お前さんに風邪なんぞ引かれたら俺がののみや姫さんに怒られるから着ていろ!」

ぴしり!と鼻先に指を突き付けられ、瀬戸口の気迫に押されこくこくと頷く壬生屋。

「それとコレ。貸し。な・・・」

無造作に壬生屋の眼下にオレンジ色の手袋を突き出す瀬戸口。

手袋をひとつ渡される壬生屋。片手の手袋を訝しく思いながらも左手用みたいなので左手につける。

男用なのか壬生屋の手には大きく色が瀬戸口の髪の色に似てて温かく感じる。

「ふふふっ。あったかいです」

微笑む壬生屋の右手をむんずと強引に掴み又己のポケットに突っ込む瀬戸口。

「え?えええっ!?」

激しく慌てる壬生屋。

「あのさ・・・手袋な・・・」

歯切れが悪そうに言う瀬戸口

「はい?」

「一つしか残っていなかったんだ・・・だから半分こ・・・な」

今まで見た事ない位顔を赤くした瀬戸口がぶっきらぼうに壬生屋に言う。

壬生屋は暫く放心していたが、瀬戸口が怒っていない事が分かると嬉しそうに微笑んだ。

どう考えても店には商品が沢山ありそうなのだが壬生屋は瀬戸口の言う事を信じたのだった。

 

「はいv

その壬生屋の笑顔に見惚れる瀬戸口(大笑)かぶりを振り

「か・・・・・・帰るぞ!」

壬生屋の右手をぎゅっと握りしめ足早に歩き出した。

 

帰りは始終無言だったが、お互いの手のぬくもりを感じて顔を赤くして二人は帰路につく。

手袋をしている手より、二人の握り締めた手の方がずっと温かった。

このままこの時間がずっと続けばいいのに・・・と思っていた二人だったが尚絅高までは市内からすぐの距離であっと言う間に到着した。

尚絅高の入り口で瀬戸口は壬生屋から手を離し、壬生屋が手袋の片手を瀬戸口に返しながら

「今度・・・頂いたマフラーのお礼を何か致しますね」

そう含羞んだ様に笑って提案する壬生屋に

瀬戸口は徐に真顔になり

「じゃあ・・・・欲しい物があるんだけど・・・」

「何でしょう?わたくしが出来る事ならどうぞ何でもおっしゃって下さい」

「壬生屋・・・お前さんの・・・・・・・・が欲しい」

瀬戸口は顔を赤らめて、とんでもない事を言い出した。

 

その言葉に固まった壬生屋は、一呼吸した後プルプル震えだし・・・・

 

 

「不潔ですッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

と瀬戸口をひっぱたいたのは二人の秘密?だったり

秘密じゃなかったり?奥様戦隊が実は尾行してたり(笑)

作品紹介・・・つか言い訳チック

ヘボ作20作目は実は以前拍手のコネタに書いた物で新作ではなかったりします(滝汗)がコネタにしては長かった(自分的に)ので肉付けしてSSにしてみました。自分…似たような傾向の作品ばっか書いてる気がしますがι

瀬戸壬生が幸せなら同じ様な作品でもそれで良し!なのでまぁそれもいいかと(笑/よくない)本当はこの作品…ネタ的に新年の更新ではなくクリスマスに更新したかったのですが諸事情にて新年に(滝汗)(吐血)

スミマセンスミマセンι櫻が無精者でスイマセン(by.ケロロに出てくる556の妹風謝罪)

ヘボ作ですが感想とか頂けるとメチャ嬉しいですのでどぞツッ込んでやって下さいませ。(笑)